耳が悪いという事。
私の父は耳がかなり悪い。
87歳という高齢のせいもあるが、若い時から耳が悪かった。
(私は父52歳の時の子供)
耳掻きが大好きで、いつも耳掻きに血が付くほど年がら年中耳掻きをしていたそうだ。
補聴器をしている状態で、私がかなり大声で話しかけても、半分も聞き取ってもらえない。
母の声は聞き取りやすいのか、9割方理解してくれているようだ。
そんなんだから、私は父に長い言葉を伝えるのが面倒になり、必然的に短い言葉のみで会話をするようになってしまった。
今では、よほど伝えたい事がない限りは、こちらからはほとんど話しかけていない。
父の耳がこんなに悪くなければ、もっと色々な事を話し合ったりしたのかな、とたまに思う。
同時に、自分と積極的に話そうとしない私に、父は寂しく思っているのではないだろうか、と悩んだりもする。
このまま大したコミュニケーションも取らないままというのも親子としてどうなんだろうか。
娘(父にとって初孫)を連れて行くと泣いて喜ぶ父。
正直それだけでもいいんじゃないか、と思ったりもする。
以前、たまにだが、自分の書いた文章をプリントして、読んでもらった事があった。
結構喜んでくれた覚えがある。
描いた絵を持って行って見せた時もそうだ。
話すのが難しければ、絵や文章を見せるのもいいかな。
それだって立派なコミュニケーションじゃなかろうか。
手紙、となるとかしこまった感じで恥ずかしいけど、ブログに書くようなちょっとした内容でもいい。
実際、以前父に見せた文章というのは、過去のブログに書いた文章だった。
そんな事を思って、ちょっと気持ちが軽くなった。
娘が将来、
「伝わらないから」
と話すのを諦めてしまわないよう、私も耳が悪くならないよう気を付けたい。
でも耳掻き、好きなんだよねぇ〜。