肉森の「返事だけは良し!」

了解です!頑張ります!大丈夫です!

飲み屋の前で…

小雨の降る夜中、先輩と自分と後輩の3人で居酒屋に行きました。




そしたら店の横の道路に30代くらいの女性が仰向けに倒れていました。

酔っぱらいかなと思ったけど、一応声をかけてみた。




肉森「大丈夫ですかー?」
女性「あー…大丈夫です。ごめんなさい…。」




意識はあるみたい。




やっぱり酔っぱらいかな、と思ったのもつかの間。
夜中だし、雨降ってるので見えづらかったけど、頭部から大量の出血をしていた。




雨で濡れた地面に広がる血だまり…。




わー、これはヤバイ!




先輩が即・救急車を呼ぶ。




女性はボーっとした感じのまま

「すみません…全然痛みとかないんで…」

と言って起き上がろうとする。




「イヤイヤ、動かない方がいいですよ。
じっとしてて下さい。
今救急車来ますから」




両手を握って、動かないように押さえる。




「酔ってますか?車とかにぶつかったんですか?家は近くですか?」

と聞いたけど、




「…いや、転んだのかな?
家っていうか…ここどこだっけ…」




と、今の状況がわかっていない感じ。




自転車で通りかかった家族連れも立ち止まり、お母さんが、女性が濡れないようにかさをさしてくれたりした。




起き上がろうとする女性が頭を上げると、ドロッとした血の塊が見えた。

うわー、なんだかやばそうやばそう!

下手したら脳みそでも出てるのかと思ったほど。




そしてやはり後頭部が気になるのか、手で触れようとする女性。




「いや、さわらない方がいいですよ、ちょっと血が出てますから!」




とあせる僕を尻目に、家族連れのお母さんが




「大したことないかもしれないけど、頭打ってるかもしれないから、じっとしてて下さい。
もうすぐ救急車来ますからね。」




と安心させる。

さすがだー。




後輩は、救急車が来た時にすばやく誘導できるよう、ちょいと離れた交差点に待機している。




ひとつ、どうかと思ったのは、家族連れの2人の子供達(どちらも小学校低学年くらい)が、じ~っと「うわ~」みたいな感じで、流血している女性の後頭部が見える位置にいた事。

そんなトコ見せんなよ、オヤジ!

と思った。







程無くして到着した救急車。

すばやく女性をストレッチャーに乗せ、救急車へ運び込む。

「どーもありがとうございました」

と一礼して走り去る。




家族連れとも「どーもー」みたいな感じで別れた僕ら。




これから飲もうって時に、そんな場面に遭遇してしまい、テンション・ダダ下がり。

「帰ろうか…」

って先輩が言うも、

「でも、お腹すきました」

との僕の一言で、店へ入った。




飲みながら、店の人も混じって色々話したけど、一人で転んだって、あんなに頭から血が出るかなぁって。

ひょっとしたら誰かに後頭部をハンマーか何かで殴られたのではないか、という意見が出て、怖くなった。




でも、今考えると、後頭部殴られたらうつ伏せに倒れそうな気もするな。

車にぶつけられて勢いよく倒れた、みたいな感じかしら。

よくわからないけど、大したことないといいなぁ。




なんだかんだで途中で警察も来て事情聴取されたりした。




飲み終わって店を出た時、女性が倒れていた場所は白いチョークで囲ってあったものの、血だらけのままだった。

あの血は誰が掃除するんだろう。

警察はしないのかな。